熱分解性窒化ホウ素(PBN)
熱分解性窒化ホウ素(PBN)

PG/PBNヒーター

PG/PBNヒーターは、減圧熱分解CVD(Chemical Vapor Deposition)法により製造される2種類の先端セラミックス、熱分解窒化ホウ素(PBN)と熱分解グラファイト(PG)を積層させた革新的なヒーターです。
従来のセラミックヒーターでは実現不可能だった1600℃の高温と最速810℃/秒の高速昇温を両立。さらに、10000回のヒートサイクル試験をクリアする驚異的な耐久性を実現しました。薄型でありながら大型サイズや円筒型も製造可能。あらゆるプロセス要求に対応します。

※真空中でPG/PBNヒーター単体で加熱した場合

PG/PBNヒーター

PG/PBNヒーターの構造

PG/PBNヒーターの断面図
PG/PBNヒーターの断面図

特徴

●1600℃まで昇温可能
最高1600℃まで使用できることで従来のセラミックヒーターでは不可能だった高温プロセスを実現します。
●810℃/秒の昇温速度
驚異的な昇温速度でプロセス時間を大幅に短縮し、生産性を飛躍的に向上させます。
●長寿命
200⇔1200℃の過酷なヒートサイクル試験を10000回クリア。優れた熱衝撃性により、ランニングコストを大幅に削減します。
●温度均一性
Φ8inchウエハにおいて900℃±2.5℃の優れた温度均一性を実現。マルチゾーン制御により、高精度な温度分布制御が可能です。
●PG/PBNともに化学的に安定
●高純度

各金属不純物は1ppm未満になります。
※Siは<5ppm
●低アウトガス
高真空プロセスに対応し、焼結体のような粒界がなく、アウトガスも極小です。
●薄型・大型対応
厚さ0.7〜2mmの薄型設計ながら、最大Φ380mmの大型サイズに対応。複数のヒーターを組み合わせることでΦ380mm以上の大型ヒーターを製造することもできます。Φ160×H400mmの円筒型も製造可能です。
●特殊PG
弊社オリジナルの特殊PGを成膜することで、オーバーコート層の密着性を向上。また、フラットな温度-抵抗率特性を実現します。

仕様

実績最高使用温度1600℃(真空中)※
実績最高昇温速度810℃/秒(ヒーター単体)※
温度均一性Φ8inchウエハにおいて900℃±2.5℃※
ヒートサイクル耐久10000回以上(200℃⇔1200℃)※
厚さ0.7〜2mm
最大サイズΦ380mm(円盤型)
※Φ380mm以上の大型ヒーターは要相談
Φ160 × H400mm(円筒型)
純度各金属不純物<1ppm(Siは<5ppm)
使用環境高真空対応
※保証値ではありません。

実証データ

●PG/PBNヒーターの昇温特性(昇温速度と最高温度)

 

PG/PBNヒーターの昇温特性(昇温速度と最高温度)

 

●PG/PBNヒーターのヒートサイクル試験(Heater size: Φ30×T1mm)

 

PG/PBNヒーターのヒートサイクル試験(Heater size: Φ30×T1mm)

結果:損傷なし、剥離なし

 

●PG/PBNヒーターによるウエハ加熱例

 

PG/PBNヒーターによるウエハ加熱例

用途

FAQ

よくあるご質問

  • Q.
    PG/PBNヒーターの見積りをお願いしたい。どのような情報が必要?

    ヒーターの形状と各部寸法、数量、電源容量(最大電圧、最大電流)、使用温度、ガス種、圧力、用途(開示可能な範囲で)などをお知らせ願います。

  • Q.
    ヒーターパターンの設計はどうすればよいか?

    ヒーターパターンの設計は、基本的に弊社が行います。ご使用予定の電源の仕様とご希望温度から、ヒーター抵抗値やヒーターパターン幅、発熱層の厚さ、ヒーターパターンの配置を決めていきます。逆に、まずヒーターパターンを設計し、ヒーターの抵抗値とご使用温度に適した電源をお客様に選定いただく場合もあります。

  • Q.
    ヒーターの寿命と、寿命保証は?

    PG/PBNヒーターの寿命は、ご使用環境に左右されるため、一概には言えません。また、寿命保証は行っておりません。

  • Q.
    PG/PBN ヒーターは、どのように電源に接続すればよいか?

    PG/PBNヒーターを装置に取り付ける際の注意事項、推奨の電源接続方法を記載した取扱説明書をご提供いたします。お申し付けください。

  • Q.
    PG/PBN ヒーターの電源はどうすればよいか。また、制御方法は?

    電源に制約は設けておりません。交流でも直流でも、必要な電力を供給できればご希望の温度に昇温可能です。制御方法にも特に制約は設けておりません。

  • Q.
    PG/PBNヒーターをある温度に昇温する際の電圧、電流、電力を見積もってほしい。

    弊社の加熱試験設備にて行ったPG/PBNヒーター加熱試験結果に基づき、電圧、電流、電力を推定することは可能です。ただし、PG/PBNヒーターをある温度に昇温するための電圧、電流、電力はご使用環境(装置構造、PG/PBNヒーター周囲の断熱状況)によって変化します。お客様の装置内で同じ値になるとは限りません。よって保証値ではなく、参考値となります。

  • Q.
    注意すべきガス種は?

    O2、H2、NH3等(熱分解によりH2の発生源となるガス)、F系ガスの存在下でPG/PBNヒーターをご使用になる場合は、注意が必要です。推奨使用温度は、大気中またはO2の存在下では400℃以下、H2やNH3等(熱分解によりH2の発生源となるガス)の存在下では800℃以下です。推奨使用温度以上でご使用になる場合、主に端子部で不具合が発生すると予想されますが、ガス量(圧力)にも影響されるため、寿命予測は困難です。PBNは100℃でF2ガスに侵食されます。F系のガスは使用しないでください。注意すべきガス種を記載した技術資料のご提供も可能です。お申し付けください。

  • Q.
    支持プレート、リフレクター、熱電対などと PG/PBN ヒーターを組み合わせた、ヒーターアセンブリの提供は可能?

    ヒーターアセンブリの提供は行っておりません。弊社が提供するのはPG/PBNヒーター本体と付属品のカーボンワッシャーのみとなります。

  • Q.
    PG/PBN ヒーターに熱電対を取り付けたい場合、どうすればよいか?

    PG/PBNヒーターに、熱電対を取り付けるための貫通穴、非貫通穴、溝などを設けることができます。また、熱電対の取り付け方法の例を記載した技術資料のご提供も可能です。お申し付けください。

  • Q.
    PG/PBN ヒーターの放射率を知りたい。

    250℃、波長領域2~100μmにおける全放射率は0.76です。発光エネルギー分布を記載した技術資料のご提供も可能です。お申し付けください。

  • Q.
    なぜ1600℃もの高温が実現できるの?

    PG(熱分解グラファイト)とPBN(熱分解窒化ホウ素)の優れた材料特性と、CVD法による緻密な積層構造により実現しています。PGは2000℃以上の耐熱性を持ち、PBNは優れた絶縁性と化学的安定性を提供します。この組み合わせにより、従来のセラミックヒーターでは不可能だった高温を実現しました。

  • Q.
    なぜ昇温速度が速いの?

    薄型設計(0.7〜2mm)と、PGの優れた熱伝導性、PBNとPGの優れた耐熱衝撃性、低い熱容量により実現しています。また、緻密な積層構造により熱効率が非常に高く、投入電力が効率的に熱に変換されます。これにより810℃/秒という驚異的な昇温速度を達成しました。

  • Q.
    本当に10000回のヒートサイクルに耐えられる?

    はい、実証済みです。PBNとPGの熱膨張係数が近く、積層界面での熱応力が最小限に抑えられています。また、CVD法により粒界のない緻密な構造を実現しているため、熱衝撃による亀裂や剥離が発生しにくく、長期間安定した性能を維持します。

  • Q.
    カスタマイズは可能?

    はい、お客様のプロセス要求に合わせて、形状、サイズ、ゾーン分割、電極配置などをカスタマイズ可能です。円盤型、円筒型、特殊形状にも対応します。また、特殊PGを使用することで、電気特性の調整も可能です。

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